取材監修:女子栄養大学栄養学部教授 上西一弘先生
世界と比べて3割も多い日本人の食塩摂取量
日本人が1日にどれくらいの食塩をとっているか、知っていますか? 国のデータによると、平均摂取量は男性で10.7g、女性で9.1g(※1)となっています。
この数値が高いのか、低いのか気になるところです。食塩摂取目標量を調べると、男性7.5g未満、女性6.5g未満(※2)となっています。男性も女性も、およそ3割も多く食塩をとっているのです。
日本人の食塩摂取量の推移
「国民健康・栄養調査」より作成(男女平均値)
▲長い年月をかけて少しずつ減っていますが、近年は横ばいの状態がつづいています
また、この目標量は世界の基準ではまだ高い数値です。WHO(世界保健機関)では、健康を維持するための食塩摂取量として、1日当たり5gを推奨しています。現在、日本人が実際にとっている食塩の平均量のおよそ半分の量です。
現在の食塩摂取目標量は、「WHOの推奨量」と「日本人の平均摂取量」との中間をとって決められています。つまり、「まずはこの中間点を達成しよう」という数値なのです。
日本人の食塩摂取量は、この20年という長い期間で見れば、少しずつですが減ってきています。ただし、少なくともここ数年はほとんど変わっていません。
食生活のなかで食塩を減らすことを心がけることが大切です。では、どうすれば食塩のとりすぎを防げるのでしょうか?次のページでは、知っておきたい、食品中の食塩量についてを紹介します!
※1 2023年「国民健康・栄養調査」より
※2「日本人の食事摂取基準(2025年)」より