知れば知るほどOishiine!!
2025/06/17

さまざまな健康効果が明らかに!DHAをしっかりとろう

取材監修:管理栄養士 調理師 沼津りえ 先生

6月22日は「DHAの日」!

世の中にはさまざまな記念日がありますが、6月22日は「DHAの日」です。

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、体内ではつくることができない必須脂肪酸であるω(オメガ)-3系脂肪酸の一種で、おもに魚に多く含まれています。脂肪酸とは、あぶらを構成する主要な成分で、とくにω-3系脂肪酸にはさまざまな健康効果があることがわかってきました。

たとえば、過剰な中性脂肪やコレステロールを下げ、脳卒中や心筋梗塞のリスクを下げたり、目の健康維持や認知症のリスクを低下させたりする効果があるといわれています。「肉食が中心で魚をあまり食べない」「最近、ぽっこりおなかが目立ってきた」「生活習慣病を予防したい」という人は、DHAを積極的にとるとよいでしょう。

必須脂肪酸やω-3系脂肪酸の働きについては、以下の記事で詳しく説明しています。

からだにいいあぶらって何?
 

「健康のためには、あぶら(脂質)はできるだけとらないほうがいい」と思っていませんか?それは大きな誤解です。とりすぎはよくありませんが、あぶらはからだに必要な栄養素です。

重要であるにもかかわらず、魚の消費量の減少に伴い、DHAは不足しがちな栄養素となっています。そこで、DHAの積極的な摂取を呼びかけ、健康生活を応援することを目的に、マルハニチロは2012年、日本記念日協会に6月22日を「DHAの日」として申請し、承認されました。

なぜ6月22日なのかは、ちょっと難しい話になるのですが、脂肪酸は炭素が鎖状につながった構造をしており、そのなかの「二重結合」という部分が何個、どこに含まれるかで働きが違ってきます。DHAは6個の二重結合を含み、22個の炭素がつながった構造をしています。この「6」と「22」という数字にちなんで定められたものです。

DHAの構造は… DHAは6個の二重結合を含み、22個の炭素がつながった構造をしています。

DHAの日には、ぜひDHAの重要性を再認識し、手軽においしくとる方法を改めて考えてみたいですね!

DHAの上手なとり方をマスターしよう

不足しがちなDHAは体内でつくることができないため食事でとるしかないのですが、ちょっとした工夫をするだけで効率よくとることができます。手間をかけずに、しかもおいしくDHAがとれる工夫を紹介します。

DHAを逃さないポイントは4つ

DHAをたくさん含む魚を選ぶ

まずは、どんな食品にDHAが多く含まれるかを知っておきましょう。DHAは魚に多く含まれますが、魚の種類によって含有量は大きく違ってきます。

魚のなかでもとくにDHAが豊富なのは、あじ、さば、いわし、さんまといった青魚に加え、まぐろ、かつお、さけ、ます、ぶりなどです。

まぐろなら赤身よりトロというように、あぶらののった部位に多く含まれます。とくに旬の魚はあぶらがのっておいしいのでおすすめです。毎日の食事で、これらの魚を食卓にのせる頻度を増やすように心がけましょう。


「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」より作成

効率よくDHAがとれる生魚を食べる

DHAは加熱調理をすると溶けて流出しやすいため、いちばん無駄なくDHAをとるには、お刺身など生で魚を食べることです。とはいえDHAの多い青魚をはじめとする魚類は、生で食べると「少し臭みが気になって……」という人もいるかもしれません。そんなときは、野菜と組み合わせたカルパッチョやサラダにするのがおすすめ。

ドレッシングに、DHAと同じω−3系脂肪酸であるアマニ油やエゴマ油を使うと、ダブルでω−3系がとれてさらに効果的。加熱すると酸化しやすいアマニ油やエゴマ油は生食するのが基本なので、ドレッシングはぴったりの使い方です。

生魚を刺身として食べると、ついしょうゆをつけすぎて塩分過多になりやすいのですが、カルパッチョならオイルやレモンなどの風味で塩分が少なくてもおいしくいただけるという利点も。野菜が入って栄養バランスがよくなるのもうれしいですね。

カルパッチョ

加熱調理では煮汁ごと食べられるメニューを

魚を加熱調理するときも、ちょっとした工夫で無駄なくDHAがとれます。魚を煮たり蒸したりすると、煮汁の中にDHAが溶け出てしまうので、できるだけ煮汁ごととれる調理法を選びましょう。

たとえば、アクアパッツアのように、蒸し煮にして汁ごと味わう調理法がベスト。もちろん和風の汁物や蒸し物もおすすめです。

アクアパッツア

DHAを手軽にとれる青魚の缶詰を上手に活用しよう

DHAやたんぱく質をはじめ、からだに重要な栄養素をたくさん含んでいる魚ですが、「調理や処理に手間がかかって面倒」「骨が多くて食べるのが大変」といった理由などで、敬遠しがちになっている人も少なくありません。

そんなときに活躍するのが魚の缶詰です。フタをあけるだけで中身をすべて食べられ、また、サラダ、煮もの、炒めもの、和えものなど、いろいろな料理に幅広く使えるのでとっても便利です。

とくに青魚の缶詰は、DHAを豊富に含んでいます。なかでも青魚の水煮缶は、その缶汁にもDHAが含まれているので缶汁ごとスープや煮もの料理に使うと、DHAをより無駄なくとれます。また、缶汁は出汁としても活用できるので、さらにおいしく仕上げることができます。

「最近、魚料理が不足しがち」「夕食にもう1品加えたい」――そんなときこそ、魚の缶詰、とくにDHAが豊富で手軽にとれる青魚の缶詰を上手に活用しましょう。

DHAが豊富な青魚の缶詰
監修 沼津りえ 先生
管理栄養士、調理師。
料理教室COOK会主宰。シンプルでおしゃれなレシピに定評があり、新聞・雑誌・テレビなどのメディアでも精力的に活動中。
『滋養菓子』(日東書院)など著書多数。
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