取材監修:女子栄養大学栄養学部教授 上西一弘先生
ヘルシーブームで不足!?
たんぱく質の目標量を知ろう
日本人の食事摂取基準では、成人1日当たりのたんぱく質の推奨量を男性60~65g、女性50gとしています。2023(令和5)年の「国民健康・栄養調査」によると、1日当たりのたんぱく質の平均摂取量は、男性76.5g、女性65.0gで、推奨量は十分満たしています。
ただし、これは平均値です。たんぱく質のとり方は個人差が大きいため、不足している人がかなりいると考えられます。
たんぱく質が不足しがちな人
・ダイエット中の人
・必要量が増える妊娠・授乳中の人
・摂取量が低下する高齢者
上記の人は、たんぱく質不足の可能性が高いといえます。昨今のヘルシーブームや粗食ブーム、肉食を避ける傾向、魚離れなどが、たんぱく質不足に拍車をかけていると思われます。
食事摂取基準では、大部分の人が不足しない量である「推奨量」とは別に、生活習慣病の予防のために目指すべき「目標量」も定められています。たんぱく質の目標量は、男女ともに摂取エネルギーの13~20%です。1食当たり700kcal弱とる人の場合、たんぱく質の目標量は1日65~100gになります。
たんぱく質の年代別の平均摂取量と目標量
「2023年(令和5年)国民健康・栄養調査の結果の概要」
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」より作成
▲ほとんどの世代で目標量には達していない
※たんぱく質の目標値は、身体活動レベルⅡ(ふつう)
たんぱく質をとる時は、目標量を目指しましょう。
次のページでは、たんぱく質をもっと深く理解するための、「質のよいたんぱく質」について詳しく説明します。